色覚モード設定の刷新と、アクセシビリティ関連の新たな変更

2023年4月月19日 - Destiny 2 Dev Team

ゲームにおけるアクセシビリティは不可欠な取り組みですが、これは依然として業界全体においては比較的新しい話題です。ますます多くのスタジオが、「皆様に楽しんでいただけるゲームを作る」という共通の目標に向けて取り組んでいます。つまり、いかなるアコモデーションを必要とする人であっても楽しめるゲームを作る、ということです。ゲームをアクセシブルにする作業には、時間、忍耐、そして様々なプレイヤータイプへの深い理解が求められますが、大切なのはこれが継続的な取り組みだということです。Destiny 2チームは、弊社内のイニシアティブであるAccessibility @ Bungieの主導のもと、ガーディアンの皆様に最先端のアクセシビリティを提供するための新機能開発に熱心に取り組んできました。

色覚多様性プレイヤーを対象にしたゲーム世界の体験の刷新から、怒りの拳で暴れまくることまで、私たちが懸命に取り組んでいる新機能をごく一部ですがご紹介します。それでは設定の刷新と、ゲーム体験のカスタマイズ方法を見ていきましょう。

設定の刷新

照準の変更

深淵のシーズンでは、現在の「照準色」の設定を補強するために「標的に定めた敵の照準色」の設定を追加しました。この設定では、敵をエイムしながら腰だめ撃ちをする際の照準色を選択することができます。この変更は、特に色覚多様性を持つプレイヤーの助けとなります。

この色設定は、ヘッドショットのドットおよび攻撃ヒットのインジケーターのUI要素にも適用されます。更新後のメニュー設定は以下のようになります。

ただし、この「標的に定めた敵の照準色」の設定が実装されても、デフォルト値は多くの方が使用している赤色のままなので、変化に気付く方は少ないと思います。こうして「標的に定めた敵の照準色」の選択肢が大幅に広がったので、色覚モード設定を変更することで色が変更される挙動を廃止しました。2型2色覚および1型2色覚の色覚モードのプリセットを使用されている方は、新しくなったオレンジ色の設定にアップデートすることをお勧めします。選択肢が広がることで、こうしたプレイヤーの方にとって一回限りの設定変更を行う必要が減ることが期待されます。

新たに追加された「標的に定めた敵の照準色」のオプションに加えて、PCとコンソールの両方における照準インジケーターの機能性を統一しました。この変更が次シーズンで実装され次第、皆さんのご意見を聞くことができるのを楽しみにしています。

フルオートの設定

シーズン19の武器に関する「今週のBUNGIE」でもご説明しましたが、シーズン19で「フルオート」設定が実装されました。これは現在「フルオート射撃」と呼ばれていますが、その理由は以下をご覧ください。

この設定は、ほぼ全種類の武器において、トリガーまたは攻撃ボタンを長押ししている間、持続的に射撃可能にするものです。これについては多くの方がご存知のはずですが、実装されたことをご存知でない方もいらっしゃると思いますので、念のためお伝えします。

フルオートの近接攻撃設定

次シーズンでは「フルオートの近接攻撃」設定が追加されます。この実装予定の変更では、剣とグレイブを含む近接武器、チャージした近接攻撃、未チャージの近接攻撃、および移動系スーパースキル使用中の近接攻撃において、フルオートモードが可能になります。この設定では、近接または射撃ボタン(近接攻撃の種類による)を長押ししている間、発動可能な近接攻撃を繰り返し行います。

「決定」と「キャンセル」の切り替え設定

深淵のシーズンでは、コントローラー使用時におけるDestinyのUIの「決定」と「キャンセル」のボタンを切り替えることができる設定も追加されます。

新しい字幕の表示色オプションの追加

私たちが取り組んでいる聴覚関連のアコモデーションの変更には、テキスト関連の単純なものも含まれます。見た目は?色は?サイズは?次シーズンでは、HUDの以下のコンポーネントが調整可能となり、エクスペリエンスをカスタマイズできるようになります。

  • テキストカラー設定が、カルーセルスライダー(左から右へのナビゲーション)からドロップダウンメニューに変更されました。
  • テキストと入れ替える形で色付きの長方形を追加し、照準色の場合と同様に、実際に選択する前に色をプレビューできるようになりました。
  • デフォルトの“黄色がかった”黄色に加えて、より“黄色”らしい黄色のオプションも追加しました。

称賛

称賛の開発の舞台裏

Destiny 2の称賛システムは、当初からアクセシビリティが重要な要素として念頭に置かれていました。

Destinyは現在4種類の異なるビジュアルカラープロファイルをサポートしているため、私たちチームとプレイヤー双方の需要を満たすことのできる機能として一連の色を調整するのは大変でした。でも、その甲斐はありました!

当初はパレットを単純化する方法を検討しました。これは実際にゲーム全体において機能しましたが、同時にビジュアルデザインを制限してしまい、予想できない不調和を引き起こしてしまう可能性があると判断しました(Destiny 2において、様々な色が特定の用途のために“取っておかれている”ことを知ったら驚くでしょう)。

その代わりに、フル機能のUI実装には活用されていなかった既存のシステムを活用する方法を検討し、私たちの需要を満たす新たな定数を定義して、称賛への追加要素を実装しました。装備の希少性の色が変化するのと同様に、称賛の各設定も変化します。つまり、いつどこで称賛を見る場合でも、その色はすべてプレイヤーが選んだカラー設定に準拠するようになるということです。

私たちは様々なリソースをオーサリング中に独創的な手段を思いつきました。アセットを管理しやすい小さな部分へと分割して、ランタイムで対応する値を適用できるようにしたのです。

カラープリセットをオフ(デフォルト)でプレイされる方に、いくつか例をお見せします。

それぞれの違いはあまり大きくないと感じるかもしれませんが、固有のカラープリセットを必要とされている方にとっては、このコントラストのレベルは各カテゴリーを見分けるための大きな助けとなるのです!

VFXに関して:

称賛のエクスペリエンスの核となるのはゲーム結果報告画面であり、ここで他のプレイヤーに向けて称賛を送ることができます。相手の受け取った称賛のカテゴリーに応じて、それぞれ異なる光の爆発が降り注ぎます。UI要素における色覚プロフィールに関して私たちが検討してきたあらゆる努力の成果が、このシステムにおいても確実に反映させるようにしたいと思いました。そこで、他のいくつかのVFXシステム(レイドのメカニクスなど)で使用しているものと同じシステムを活用し、称賛のVFXが現在のプレイヤーの色覚モード設定に対応した色に変化するようにしました。このシステムをテンプレートとして構築することで、これら8つのノードの値を変更するだけで全パーティクルの色を一斉に調整できるようになり、素早く簡単な実装が可能となりました。

この取り組みの成果は以下の通りです。上から下の順に、「熟練」、「楽しい」、「仲間」、「リーダーシップの称賛」の爆発が再生されます。色覚モードのプロフィール設定をオンにすることで、それぞれ大きく変化したり、あるいはわずかに変化することが分かります。

今回お話ししたことは、Destiny 2をガーディアンの皆様全員にとってさらにアクセシブルにすべく、私たちが舞台裏で進めている取り組みのごく一部にすぎません。ゲームは誰でも楽しめるべきものであり、ライブゲームをよりアクセシブルにするという課題は現在進行形で長い時間を要するものですが、私たちはDestiny 2を誰もが歓迎されているように感じられる場所にすべく懸命に取り組んでいます。私たちがAccessibility @ Bungieを始めた背景と、私たちがリソースを共有し続け、目に見えない舞台裏での改良を検討し続ける背景には、このような大きな理由があるのです。

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