セイント14、オシリス、可能性ある小さなティーカップ

2022年12月月14日 - Hippy

ああ、いつも通り予測不能の結末に抗い、戦いを繰り広げることになります。新シーズンがやってきました。つまり目撃者とその悪魔的計画を突き止めるための探求が続く、ということです。それと同時に、今シーズンではオシリスと共に戦うことになります。愛する者の傍らに帰還した彼は、セイント14と共に未来を掴むための戦い、光の陣営の一員として働く続けることとなります。

私たちと似た感性の皆さんであれば、オシリスのあのなじみ深くも美しい声を熾天使のシーズンの開始時に(サバスンの策略なしで)聞けるのなら、歓迎の声のように感じられるでしょう。この新シーズンで彼を目に出来るのは嬉しいことです。これはセイントにとっても同じはずですが、とはいえ漆黒の女王の支配から彼を取り戻すという、英雄的行為が簡単だったということではありません。事実はといえば、正反対です。この喜ばしい再会に涙を流す人が多いことと思いますが、一つ疑問が残っています。ティーカップとは何か?

Destiny 2のナラティブチームの何人かが、ネザレクのお茶について思索を深めています。Nick ArdizzoneにNikko Stevens、それからJames Myersです。Bungieもっと大きなナラティブチームのメンバーです。ティーカップの冒険を書物のページからゲームに移すというのは、ゲーム内の伝承を見れば理に適った行為だと分かります。特にあの欠けたティーカップについてはそう言えるでしょう。JamesとNickが説明するところでは、「セイントとオシリスがFacebookで正式に発表される」話において、ティーカップには特別な場面が二つ用意されているとのことです。

「この場面がどのように展開できるのか確かめるため、脚本を他のチーム(モーションキャプチャやアニメーションのクルーですね)に渡したのですが、それからすぐにこの二体のキャラクターのビジュアル面でのリファレンスやアイデアを集め出しました」とJamesは明かします。彼は最近、この計画が動き始めてからBungieで働き始めたメンバーです。「私たちはあらゆることを考慮しました。ハトだとか何かおとぎ話のような瞬間を演出するためのものを組み込むことについてもです。想像してみてください。彼らがキスすると、ハトの羽根が羽ばたいて夕陽に向かって飛んでいくのです。これが結果的に、その他の特別な細部をどのように組み込めるか、ということに繋がったのです。オシリスの部屋の見た目をどうするか、とかそれがセイントの自宅でもあることをどう見せるか、とかですね。」

この居住エリアが大事にされていることは明らかですね。大事に取り扱われている本があることからもこれは分かります。セイントがオフの時に何をしているかもここからうかがえます。「しかし、ティーカップそのものがちょっと興味深いものなんです」とNickはもったいぶります。

黒い液体が並々と湛えられたきれいなティーカップと、それを持っている両手が描かれたラフスケッチです。スケッチの後景にはうつぶせに寝ているオシリスが見えます。
本コンセプトのラフスケッチの第一バージョン。

暗黒エネルギーがティーカップの中を渦巻いていますが、これはそもそも、この計画が始動する直前に参加したBungieのとある新人にとっては嬉しいアクシデントでした。彼は自分の新しい役割について、そして次の計画を立てる際に自分がどのように貢献するべきなのか、猛勉強しているところで、ティーカップに結びついた元々の伝承は覚えていませんでした。「暗黒エネルギーをティーカップの中に入れたのは、元々はビジュアル面でのリファレンスで、これはイラストレーターに送りました。同僚のナラティブデザイナーであるRobert Brookesとチームの他のメンバーがこれにもっと重要な意味を見いだしたのです。で、セイントがオシャレなティーカップを壊してしまってどのように欠けを直したかという伝承タブのことを思い出させてくれたのでした。本当にステキな伝承で、カップの説明がないか探したものです。ゲーム内でアイテムがどんな見た目なのか、イラストレーターに伝えられるようにってね。」

伝承の繋がりがあり、美しいイメージがあり…しかし科学についてはどうでしょう?この暗黒については?

「目撃者はネザレクの欠片によって封印された暗黒を取り戻そうとしています」とNickは説明します。「これは純粋な、古の暗黒であって、往昔の日々から残る真に質の高いものなのです。非常に強力な暗黒であって、目撃者の計画に使えるようなものです。シーズンの終わりに、ミスラックスがレリックから暗黒を抽出しましたが、彼はその恐るべき力に直面することになりました。これは彼の母が追い求めていたのと同じ力で、海賊の頭領としてやっていた期間中に首にかけていたネザレクの欠片が囁き声で伝えてきたのと同じ力です。」

コンセプトが形を取り始めた時期の、もう一つのスケッチ。

「そこで彼はとうとうそれを手にし…そして拒絶するのです」とNickは笑顔で言います。「代わりに彼はそれを、小さくて個人的でそして意味あることのために使う選択をします。ミスラックスは純粋に無私な理由から、レリックをダメにするリスクを受け入れます。現在のミスラックスは過去の彼とは違います。」

許し。それもただの外面的な許しではなく、私たち自身を許せることなのです。これは小さなことではありません。セイントとミスラックスの進化および彼らの類似(戦争自慢をすることではなく、約束の証としてのティーカップに成長が象徴されているということ)は想像力を刺激します。多くの人に共感してもらえると思いますが、それだけでなく生き残るための戦いが続く世界にあってもこれは優しい瞬間をもたらしてくれます。ささやかな慰め、お気に入りの温かいティーカップを揺らしている時に感じるであろうような慰めを。そう言えば…

なぜお茶なのか…私たちはそれについての科学があります。完璧な一杯を作ろうという時には、インクのように黒く不吉で死を思わせるジュースが渦巻いている様子なんかを思い描いたりはしません。(どちらかというと私はアールグレー派です)。さて、それではどのようにネザレクのコーヒーがオシリスに役立つというコンセプトが生まれたのでしょうか?それについて掘り下げていくのなら、プレイヤーの皆さんは暗黒についてネザレクが何と言っているか、そしてそのような瞬間の媒体となるような記憶と暗黒の結びつきについて自問することになるはずです。特に光の終焉についてはそうでしょう。それと、そのより小さなレリックの一握りでは全体を構成しません。これは重要なことです。

「ネザレクのレリックは歴史的な聖遺物に基づいています。これはしばしば、聖人や宗教的人物の遺骸の一部を含んでいます。その聖遺物のいくつかはどうなっているのか調べましたが、過去何年にもわたりそれは盗まれ盗み返されていました。1700年代の薬物をいくつか見つけましたが、過去の人間の一部が材料に使われ続けているという説明が付いていました。これは「ムミア」あるいは「ムミア・ビチューメン」と呼ばれていたもので、黒くて苦いが香しい物質だと説明されていました。古い薬剤には素晴らしい説明がなされている場合があります。例えばこんな風です。「地下墓所で作られる酒。防腐処置を施した死体から滲出したり、死体に圧力をかけて得られるもの」と。たまらなく不気味なものです。」

「抽出されオシリスが飲めるようになった暗黒はシンプルで、共感できるオプションであり、昔の不気味な民間療法への目配せにもなっています」とNickは言います。「そして、私たちは第五元素の伝承本のティーカップを使えば、素晴らしいリファレンスになると感じました。セイントとオシリスにとってティーカップは重要なものなので。「ミスラックスがオシリスを目覚めさせるのに暗黒を使った」と曖昧な言い方をするよりずっと響くと思ったのです。」そして、言うべきことは実際、これですべてなのです。愛は細部に宿るのであって、スタンドプレーに宿るのではありません。そしてそのような細かやな細部を取り巻く文脈が、献身の深さを示しています。それこそチームが伝えたかったものなのです。

そのような細部こそが場面に深みを添え、そして両キャラクターのファンとして、最良の意味で自分の魂が震えたのだと、嬉しく思います。「搾取や何かを誇示しているように見えない、ということが大事でした」とJamesは回想します。「セイントとオシリスのことは大事に思っています。私はこの愛すべきキャラクターに再び幸福を見つけて欲しいと思ったのです。」オシリスの顔に浮かんだかつてないほどいい笑顔から見て、それは上手くいったようですよ、James!

科学と宇宙魔法は措くとしても、宇宙パパが無事に戻ってくれたのを見れたのはいいことです。何故この瞬間に再会するのかというタイミングと理由に注目してみれば、不気味な見た目の飲み物があろうとなかろうと、答えはシンプルなものでした…「ここに来るまでに長い時間がかかりました」とNickは、コミュニティがセイントとオシリスについて交わしていた最近の会話について思い出しながら言います。特に、漆黒の女王におけるオシリスの運命を知った後、悲嘆や恐怖、焦燥に満ちていたセイントの旅路を追った後に交わされた会話についてですね。

「宙賊のシーズンの最後でそのような再開の瞬間を描くというのは理に適ったことでした」と彼は付け加えます。彼の言う通りです!今こそが完璧なタイミングだと言えましょう。オシリスが遂に戻って来ました。激闘を経た後の感情を掻き立てられる再開は予想ではなく、現実のものとなるのです。このペアがお互い何を乗り越えてきたかに注目するならば感慨も一入となります。「オシリスはサバスンに支配されている間、想像もつかないようなものを見ました」とJamesは言います。「彼がいずれ自由の身となり、その知識でもってこの二人の再会に向けて突き進むことになるだろうとは分かっていました。」

幸福な再会を喜んでいるチームだけのことではありません。プレイヤーも、すぐにこのペアについて独創的な解釈を、アートやゲーム内の記念品などで共有してくれました。Nikkoには独自の考えがあるようです。「コミュニティの反応にはとてつもない興奮を味わいました。すごかった。純粋で健全な関係についての自然な描写を見ることで私もワクワクしていましたよ。こんな風に取り扱ってもらえるなんてね。キャラクター性に忠実でありながらも有機的な瞬間が生まれ、それは心の底から安心できるようなものなのです。ラブストーリーというのはそうでなくちゃいけません。あまり注目されていませんが、彼らが彼らであるだけで、それは美しいんです。」

そして、そのようにして二体の愛すべきキャラクターは感動的で優しい再会を果たすのです。これこそ彼らに相応しいもので、魔法みたいな宇宙のお茶もあります。この健全なペアによろしく言っておいてください。熾天使のシーズンが開幕です!


お茶といえば!Bungieには開発チームが作ったクラブが大量にあり、ゲーム外の活動も促進しています。非常に居心地のいいBungieティークラブなどもあるわけです。凝ったティーカップについて話をしていたので、セイントとオシリスが美味しく飲むとしたらどんなお茶が合うか少し共有してみるのも面白いと思います:

緑の模様付きのサモワールとポット。同種の意匠が凝らされたトレーに載っています。
画像:伝統的なZavarkaスタイル。これは普通サモワールと呼ばれる大きなティーポットを使います。

完璧なお茶:

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