エリカ・イシイさんに頼めば、有名なブロードウェイ・ショー『ハミルトン』の曲にひねりを加えて歌ってくれます。具体的には、皆が大好きなウォーマインドを中心に歌詞をアレンジした、ミュージカル曲『Dear Theodosia』のDestinyバージョンです。
Dearest RasputinWhat to say to you?You're my Warmind, you have a Russian nameWhen you came online you launched warsatsAnd it warmed my heart
アナ・ブレイの新たな声優を務めるイシイさんは、女優や声優としての仕事が増え続けており、演技の経験も豊富です。『シェンム―III』、『Fallout 76』、『SMITE』などのゲームをプレイしたり、あるいは『機動戦士ガンダムNT』などのアニメ映画を見たことがある人なら、イシイさんの声を聞いたことがあるはずです。Geek & SundryやNerdistのホストとしても、イシイさんはオタク文化の世界にどっぷり浸っています。彼女はまた、Destinyの大ファンでもあり(気になる方のためにお伝えしておくと、ウォーロックメインです)、アナの役を得たことは「本当に名誉なこと」と語ってくれました。
「私のマネージャーは、すごく良い知らせがある時は大抵電話で直接連絡してくれるんです」とイシイさんはその時のことを振り返ります。「泣いて叫んで大騒ぎでしたよ、本当に」
先日、ロサンゼルスにあるイシイさんのご自宅でインタビューを行い、アナ・ブレイ役として目指していること、これまでのキャリアの歩み、ゲームの中で自分の声が聞こえる感想などについて伺いました。
アナ役を演じるにあたって、どのような準備をしましたか?
既に多くの伝承があったのはとても幸運でした。ゲームが出てから数年が経っています。Destiny 1はプレイしていたんですが、(Destiny 2は)まだプレイできていなかったんです。Bungieの方々はとても親切で、Destinyをプレイするためのコードを送ってくれました。また、伝承の続きや知っておくべき背景事情の知識を深めるため、ゲーム実況動画も見ました。自分が演じるキャラクターのプレイリストをいつも作るんですが、アナのプレイリストも当然作りましたよ。
アナ・ブレイのプレイリストはどんな曲で構成されていますか?
キャラクターのプレイリストを作る時は、そのキャラクターがどんな人物なのか、出来事や他のキャラクターに対してどんな感情を抱いているかを表す曲を選びます。もちろんDestiny 2のサウンドトラックも入っています。それから、彼女の孤独を感じさせる曲もたくさんあります。私の好きなアーティストVian IzakとJuniper Valeの『The Astronaut』と『The Expanse』も入れました。孤独と希望を感じさせるプレイリストになっています。レコーディングに行く前やその合間に聴いて、役のイメージを常に保つように意識しています。キャラクターに入り込み、形作り、なりきるために、音楽は重要な基準としての役割を果たしてくれるんです。
役に入るスイッチのようなものということですね。なるほど。ホームページによると、ミュージカルのご経験もあるそうですね。
私の知っている声優のほとんどはミュージカル出身です。表現、演技、呼吸コントロールといった音楽的才能やリズム感など、音楽によって鍛えられる部分があるように思います。音楽に引きつけられる人は声優の仕事にも引きつけられる。よくあるパターンです。
Destinyのレコーディングセッションはどうでしたか?
とても楽しかったです。それはもう犯罪級に楽しかったですよ。この役を演じることができて、本当にラッキーだと思っています。声優の仕事は、自分で全てを想像しなければならないので、演技と同じくらい独特の難しさがあります。天候はどんなだろうか? 話している相手は離れた位置にいるのか、または近くにいるのか? さらにキャラクターの物理的条件を考慮する必要があります。(例えば、)今どんな気持ちなのか? キャラクターは何を伝えようとしているのか? この話題はキャラクターの得意分野なのか? 演じるためには、たくさんのことを考えなくてはいけません。楽しくて、ワクワクする挑戦です。
シーンを作り上げる上で特に課題になるのはどんなことですか?
挑みがいがあると私が感じるもののひとつに、戦闘シーンがあります。そこには大変な努力が注ぎ込まれているんです。私は元格闘家なので、殴られたり、一撃を与えたりするときの音はよく知っています。ですが、そのシーンの条件を把握しておくことも大事です。(「名士のシーズン」の)オープニングシネマティックでは、(アナは)できるだけ静かにしていようとしていますが、無線のせいで気が散っています。レコーディングをしている際は仕上がりがどうなるのか分からないので、そういった要素が全て入れ込こまれ、出来上がったものを見るのはとても楽しみです。アニメーターやデベロッパーが、私たち声優の演技パフォーマンスを中心にシーンを作り上げてくれることもあります。ですが、「ここでは重たい銃を持っているから、重たい銃を持って走りながらやっている感じで」というようなアイデアが先にある場合がほとんどです。与えられた物理性イメージに声を重ねてシーンを作り上げていく工程は、すごくワクワクします。ディレクターやBungieの皆さんは、私なりの考え方や見方を歓迎してくれました。私なりにキャラクターを解釈させてくれて、そしてそれが偶然彼らのビジョンとも合っていたんです。最高のディレクターというのは、自分のビジョン、そしてデベロッパーのビジョンを念頭に置きながらも、声優の意見にも耳を貸してくれます。アナを演じるにあたって、そういった環境があるのはとてもありがたいことです。
アナを演じる上でどんなビジョンを持っていましたか? 共感する部分はありますか?
演じるのがどんなキャラクターであっても、どこか自分と共通する部分を見つけたり、あるいはキャラクターに自分を少し投影させたりします。アナは好奇心旺盛で、自分が考え得る最善の方法で力になりたいと考えていると思います。未知のSF的な意味でも、個人という意味でも、自分の過去と歴史を探るというのは簡単なことではありません。アナと自分の過去や歴史を探るというのはなかなか興味深いプロセスでした。
Destinyのキャストの一員になったご感想は?
このキャストの一員になれたことは、未だに信じられません。キャストは皆素晴らしく、偉大な声優や女優俳優の方々ばかりです。こんなにも素晴らしい役者さんと一緒に仕事ができるなんて光栄です。尊敬していたり、憧れていた方たちがたくさんいて、その仲間になれたなんて、信じられない気持ちです。私は、Destiny世界には多様で豊かなキャラクターが存在するという点がとても好きです。(アナが)クィアのアジア人女性であるという事実は、私にとって大きな意味を持っています。私は自身がパンセクシャルだと認めています。クィアである有色人種女性の姿というのはメディアではほとんど見ることがないので、本当に素晴らしいことだと思います。個人的に、すごく意義のあることだと感じました。
キャストになってからゲームはプレイしましたか?
まだです! またプレイしたいとは思っています。特にシーズンが切り替わる前はウォーロックのパワーレベル上げを頑張っていたので。(自分の演じる声が収録されている)今は、少し緊張しています。自分の声を聞くというのは奇妙な感覚です。ほとんどのアーティストは自己批判が厳しいんです。私はまだゲームでどう仕上がっているのか確認できていません。
ファンの皆さんも間違いなく気に入ってくれていますよ。ゲームをしている時や、自分が出演している映画を見ている時に、自分の声が聞こえるのはどんな気分ですか?
ガンダム映画(『機動戦士ガンダムNT』)の試写会に母を連れて行ったんです。初めてキャラクターが喋った時には、まるで体外離脱したような感覚でした。「あ、私だ!」って。アナのセリフがある今回のトレーラーでも、同じような感覚でした。彼女の口が動いて、そこから私の声が聞こえるなんて、現実には思えなかったんです。とても興奮しました。友人の中にも、Destinyをプレイしている人がいます。彼らが動画を送ってきて言うんです。「家のリビングルームであなたの声が聞こえた!」って。
声優になるまでの道のりを聞かせてください。
声優は皆、それぞれ異なる背景があるように思います。経歴も皆バラバラです。私の場合、長い間カメラの前で演技するお仕事をしていたのですが、声優をやりたいという思いがずっとありました。私はアニメやビデオゲームに囲まれて育ちました。ある日、これから成長していく新しいメディアというところに刺激を感じ、ビデオゲームに特化した声優をやってみたいと決心しました。映画が生まれたばかりの頃に、映画制作に携わるチャンスを掴んだ自分を想像してみてください。この刺激的で物語性のある新しいメディアで演じる仕事がしたいと思ったんです。
私はゲームと一緒に育ちました。伝説や先駆者と呼ばれる声優さんたちの素晴らしいパフォーマンスがたくさんありました。「絶対にこの仕事をする」と決意したのは、『The Last of Us』をプレイした時だったと思います。カメラの前でする演技とは異なるスキルが求められるので、ずっと怖くて踏み出せていなかったんです。異なるスキルを習得するだけでなく、デモを作ったり、クラスやワークショップなどに通ったりするための金銭的投資も必要になりますし、名刺も用意して、この業界で本気でやっていることをアピールしないといけません。それでも『The Last of Us』をプレイした時、自分にこう言ったんです。「それだけの価値がある。こんな芸術を作りたい。大好きなこのメディアに関わる仕事がしたい」私は様々な機会を与えてくれる良き指導者、友人、同僚に恵まれました。そして幸運なことに、多くの場合、私にはそれらの機会に生かすことができる経験がありました。カメラの前での演技、即興演劇、音楽の経験も非常に役に立ちました。夢の仕事ができるなんて、本当に嬉しいです。
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エリカさんは近々、今夏発売予定の新作『Vampire: The Masquerade』のナレーションを担当する予定です。彼女はまた、次にアナ・ブレイ役を演じられる機会を楽しみにしています。
エリカさん、私たちのためにお時間を割いていただき、ありがとうございました。