JavaScript is required to use Bungie.net

迷宮「予言」へのダイブ

影が近づいています。イオの上空に浮かぶピラミッド艦の存在は、先の見えない未来への備えができていない現状を私たちに思い知らせます。迫り来る嵐に立ち向かうには、答えを見つける必要があります。ナインを探しましょう。

予言を聞かなくてはなりません。

あなたは新たな領域の入り口に立っています。ですが、どうやってここにたどり着いたのでしょう?そもそも、「ここ」とは一体何なのでしょうか?その疑問に答えるため、Bungieのレイド・迷宮チームのメンバーであるアンドリュー・ホップス(ワールドリーダー)とブレンダン・ソーン(シニアデザイナー)が最初から話をします。レインボーロードをイタリアのスピード狂が走り、壁の上を歩くには流れる緑色のテキストと革のトレンチコートが必須だった時代にまで、話はさかのぼります。

 

疑問、答え、到来

アンドリューとブレンダンは共に7年以上Bungieに勤めています。その間、2人は「邪神、滅びる」や「ガラスの間」を含め、10以上のレイドと迷宮の制作に携わってきました。迷宮「予言」の制作に着手した時、チームはアートを重視した、これまでとは異なるものを求めていました。

「新しい視点というテーマは、初期のプロトタイプを制作する中で生まれました」とアンドリューは振り返ります。「ゲーム空間を回転させる実験を始めてすぐに、抽象的なスタイルを究極まで追求したいと考えるようになりました」 

そこでチームはクリエイティブ・リーダーシップ・チームと連携し、この迷宮の構想を考え始めました。アンドリューは、ナインの領域を訪問するというアイデアにとても興奮したのを覚えています。ナインの領域に迷宮を配置すれば、ゲームのメカニズムやDestiny世界内の多くのルールに縛られないアートスタイルを試すことができます。「私たちが足を踏み入れるのは幻影の世界です」とブレンダンは言います。「ナインは私たちが探索できる、ある領域を作りました」 

彼らはロビー・スティーブンス(クエイティブリーダー)とトム・ファーンズワース(デザインリーダー)を交え、既存の到来のシーズンのストーリーにこの新たな迷宮をどう組み込むかにという議論を始めました。既にピラミッド艦の接近に気付いているプレイヤーにとって、迷宮は「暗黒とは何だ?」という疑問の答えを探る絶好の機会です。研究に力を注いでいる放浪者とエリスでさえ、まだその答えを知りません。そのため、シーズンが始まり脅威が差し迫った時、プレイヤーは答えを探すしかありません。たとえそれが謎めいていて、ネオン光を放つ抽象的な遊び場の端に転がっているのだとしても。 

「本当にエキサイティングです」ブレンダンはこう語ります。「ピラミッド艦が到来し、何か大変なことが起きそうな予感がしています。広く影響し全てを変えるような、大激変をもたらす出来事は、ブラックスワン・イベントと呼ばれます。突然の出来事のように感じるかもしれませんが、振り返って考えてみると以前から伏線が敷かれていたことに気づくでしょう」 

彼らは、プレイヤーに「予言」を何かの前兆として捉えてもらいたかったと言います。この迷宮を振り返ると、Bungieがずっと以前から何か大規模なものの基礎を築いてきていたことに気づくはずです。 


バランスの追求

物語の方向性が決まり、ナインの領域を舞台とすることで限界が押し広げられたことに興奮を抱きつつ、チームは最初に想像力を掻き立てられた世界を回転させるプロトタイプに再び目を向けました。「時には幸運な偶然で何かが上手くいくことがあります」とアンドリューは言います。「私たちは非常に大胆なアイデアをプロトタイプ化します。その中で上手くいった組み合わせが最終的に採用されます」 
 
「こういった幸運による小さな偶然から形になっていくんです」ブレンダンが続けます。「それから、スムーズな体験のために、それらを重ね合わせるベストな方法を探します。まずは安全な学習環境の中でコアのメカニズムを作ることから始めます。次に、難易度を上げたり、ひねりを加えたりして、全てを結びつけていきます。この方法であれば、体験全体をまとまりがあるものにできるんです」 

チームはあらゆるメカニズムの調整を重ね、最終的に高難易度だがクリア不可能ではないものを作り出しました。「プレイヤーが一度にどれくらいのことを考慮してプレイできるのかを追求しています」とアンドリューは言います。「考慮する必要がある項目を少しずつ重ねていっているので、最終ボスにたどり着く頃には、部屋に入って周りを見渡すだけで、この戦いがどう展開するのか正確に理解できるようになっているはずです」 

アンドリュー、ダリン・ランツィー(シニアテクニカルデザイナー)、マット・ターナー(シニアワールドアーティスト)、ベン・ハイダー(テストリーダー)と共に、巨大なホワイトボードを使ってあらゆるものを全て図解した時の様子をブレンダンは振り返ります。「全メカニズムと、それらを組み合わせた時にどのように機能し、どうサポートし合うかを書き出しました。そして全てがカチリとはまったんです。約1時間後には、デザインが固まっていました」 

メカニズムの中には、アンドリューが以前からやりたいと思っていたものの文脈的に合わずできなかったものもありました。世界を回転させるメカニズムもそのひとつです。「様々なプロトタイプを作る中で、面白いアイデアが生まれたけどテーマに合わない、ということはよくあります。そういったアイデアは後々のために取っておくんです。『予言』の制作が始まり、ナインの領域を舞台とすることが決まった時、私は『おお、とっておきのアイデアがあるぞ』と思いました」 


バレルロール

「プレイヤーには周りで何が起こっているのかを簡単に理解してもらいたいので、通常、迷宮のメカニズムをあまりに複雑なものにすることはありません」とブレンダンは言います。「アンドリューはとても独創的な方法を思い付きました。彼はキューブを作成し、起動するとプレイヤーがテレポートできるようにしました。すると世界全体が回転し、プレイヤーの周りには新しい世界が広がります。今まで壁や天井だった場所に立っているんです」 

チームはダリン・ランツィーに、空間をクールに回転させるためなら何をしてもいいという権限が与えました。「ダリンはプロトタイプの制作に深く関わっていました」とアンドリューは言います。「彼はあらゆるエフェクトを追加し、テレポート時の世界が回転する様を強調しました」 

メカニズムとしては、単一の起動アクションという単純なものです。ですが、そこから斬新でエキサイティングなゲームプレイが誕生しました。ブレンダンは、突如として全ての面のレイアウトが重要性を持つようになったと説明しています。「これにより、面白い戦闘が生まれました。完璧なビルドを構築し、完璧な戦略を立てるよりも、いかにジオメトリを上手く使い、その場でプレイできるかが重要になってきます」 
 
ゲームプレイとしてのジオメトリは、Destiny 2の中心にある考え方です。プレイヤーがどこに移動し、どの武器を使用するかを考慮し、空間の方向性とプレイヤーの位置が鍵となる遭遇戦を構築することは、チームがDestinyのサンドボックスのベストな部分を活用できたことを意味しています。 

 

照明

チームをワクワクさせたプロトタイプがもうひとつありました。それには、光と影そのものを使った戦闘が含まれていました。「これまで、光、つまり照明の明るさをゲームのメカニズムとして使用したことはありませんでした」とブレンダンは言います。 

中心となるコンセプトは、「プレイヤーがゲーム内で光と影を使って勝利する」という、テーマに沿った単純明快なものでした。ブレンダンは次のように述べています。「分かりやすい単純なコンセプトを目指しました。誰かが戦っている様子を30秒見れば、戦い方が分かるような」 

そこで、プレイヤーが敵を倒すと、倒した戦闘員が立っていた位置によって、異なる種類のかけらがドロップするようにしました。暗いところに立っている敵からは暗黒のかけらが、明るいところに立っている敵からは光のかけらがドロップする仕組みです。単純なメカニズムに聞こえますが、視覚的に分かりづらく、プレイヤーは敵の位置を変えることができないためストレスがたまってしまいます。 

テスト中、ドロップするかけらの種類は敵ではなくプレイヤーの位置によって変えてはどうかとベン・ハイダーから提案がありました。ちょっとした変更ですが、戦闘全体を変化させるほど大きな影響がありました。「突如として、プレイヤーがドロップするかけらの種類をコントロールできるようになりました」とブレンダンは言います。「この単純な変更を行い、翌日にプレイしてみたら、何百万倍も分かりやすくなっていました」 

このような嬉しいサプライズは、制作プロセスの中で何度も起こります。チームが最初は不可能と思われるような面白いアイデアを思い付き、そのアイデアを組み込んだゲームをテストしたテスターから解決策が提案されることも珍しくありません。Bungieのテスターはこのプロセスに欠かせない存在です。その鋭い洞察力は、制作視点とプレイヤー視点の両面から、デザインが直面する問題を特定するためには不可欠です。 

たとえ最終的に何か上手く組み込めないものがあったとしても、アンドリューはいつか使える時が来た時のためにそのアイデアを取っておくようにしています。


ナインのギャラリー

ユニークなゲームメカニズムに加え、チームは特徴的なアート観を「予言」に採用しました。マディソン・パーカー(シニア照明アーティスト)は、チームがインスピレーションを得たアーティストとして、ジェームズ・タレルの名を挙げています。彼の作品は、光、色、建築の相互作用を追求しています。その大胆な配色や形、シンプルなフォルムに焦点を当てたアートは、ナインの美学にも合致します。 

このテーマには抽象的なものが適しているという前提のもと、チームはプレイヤーが迷宮を探索する際の進行を形と色の変化で表そうと考えました。「最初は全体的に柔らかい印象ですが、徐々に非常に角張った形になっていきます」とアンドリューは解説します。「円形は日没を具現化して線の入った球体になり、それが平らな線になってそこから一枚岩のような正方形がそびえ立ち、最後には三角形へと崩れます。ひとつの戦闘から次の戦闘に至るまでを形状に注目して見てみると、迷宮を進むにつれて柔らかい円から徐々に角張ったものへと形状が変化していくのが分かるでしょう」 

数多くの素晴らしいアーティストが迷宮の外観や雰囲気作りに貢献してくれました。ブレンダンは、アンドリューはブルータリズム建築、ムード、スクリーンショット、照明コンセプトに至るまで、あらゆる側面の指揮を執り、まるで映画の制作デザイナーのようだったと振り返ります。「アンドリューには『予言』の具体的なビジョンと計画がありました。私はただ、彼とマット・ターナー(シニアアーティスト)が形作っていくのを畏敬の念を持って見ていました。どんどん形になっていく様は圧巻でした」 

結果として、Destiny 2のゲームプレイとしてのジオメトリ空間の重要性がさらに増した、アート満載の迷宮が出来上がりました。 


さあ、プレイしよう

チーム全員が、「予言」が素晴らしい形で完成したことをとても誇りに思っています。この記事の執筆時点で、迷宮がリリースされてから数週間が経っており、プレイヤーの皆さんにも楽しんでもらえているようです。在宅ワークになる以前は、Bungieの社内シアターに集まってケソやドリンク、ピザなどを注文し、プレイヤーが迷宮に初めて挑む様子を皆で眺めるのが恒例でした。 

「世界初のレースは一大イベントです」とアンドリューは語ります。「チーム全員とパートナー企業の面々が多くシアターに集まり、参加チームを応援するんですよ」最後の望みの時は、午前5時30分になってもスタジオに残っている人がいたほどです。迷宮はレイドほど完了までに時間はかからないものの、それでも全員がシアターに集まり、プレイヤーが初めて体験する様子を見るのが恒例です。 

在宅ワークになっても、チームはプレイヤーが迷宮に初挑戦する様を見守っていました。「私たちはビデオ会議をしながらリリースを迎えました」とアンドリューは言います。迷宮のあらゆる側面を熟知しているチームにとって、プレイヤーがまさに特別な体験をしようとしている瞬間はとても楽しいものです。「私たちは前のめりになって座り、その瞬間が来るのを今か今かと待っています」 

既に自分がプレイしたことがあるコンテンツで、ネタバレをしないことによって新規プレイヤーをひどい目に遭わせることに似ています。レイド・迷宮チームはそれがゲームの伝統であることをよく知っています。プレイヤーが共有する瞬間というのは、最終ボスが倒されても、ずっと後まで思い出として残ります。 

例によって、ブレンダンが多くの人が共感できるだろうゲーム体験を語ってくれました。「過去の惨劇でスパローレースがあるでしょう? 2人で同時にボタンを押す必要があるやつです。私はいつも、レイドリーダーとして皆の準備ができているか確認する役を務めていました。スパローに乗ったアンドリューが私を狙っていることに気づきもせずに… 『ゴー!』という私の掛け声と共に、毎回彼に突撃されて死ぬんです」 

話の途中で、アンドリューの顔には懐かしい思い出からしか作り出せない笑顔が浮かびます。彼はすぐに顔を引き締め、答えました。「それは違います。私はとても集中していて、ふざけることなんて一切ありません」 

迷宮「予言」はDestiny 2で現在配信中で、プレイヤーは誰でも無料でプレイすることができます。さっそく飛び込んで、景色を楽しみつつ、慎重に先へ進みましょう。

もっと詳細が知りたい場合は、このストリーミングをご覧ください。開発チームのメンバーが解説する一方で、ファイアチームがミッションに挑んでいます。
このコンテンツはご覧いただけません。
preload icon
preload icon
preload icon